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エマの成人式。

成人式特別編。タイトル 祝!エマの成人式。By ななおジョーンズ

私がオーストラリアでワーキングホリデーしていたころのこと。
シドニーの都会生活に疲れ、(もともと都会はだめなタイプらしい)ブルーマウンテンの山で生活をしていたことがあった。人口100人ぐらいの小さな村。メドローバス。

ピンク色のかわいらしいマジェスティックという有名なホテルが一軒あったけれど、他にはバーとサンドイッチショップ、そしてアンティークショップしか店はない。

今は亡きファンキーな友人シオの友達で警察官のデザリーの家に居候させてもらってた。特にすることもなく、デザリーが仕事へ行ってしまったあとはひとりで山を歩くしか他にない。(赤や黄色のトカゲに泣きそうになる。)

とても小さな村だから、一週間もしないうちに村の人たちと顔見知りになった。雨の日、バーの前でハーイ!って声をかけてきた男の子。(えらいかっこよかったな。)赤い服のおばあちゃん。そして消防署のおじさんたちと友達になり、夜ご飯とビールをご馳走になる。(分厚いステーキだったなぁ。)で、気がつくともう夜も遅いからって、でかい消防車でデザリーの家まで送ってもらう。鍵を開けるまで暗くてわからないだろうから。と車についてる大きなライトで照らしてもらう。村には消防車が一台しかないんだけど、、、そんなことが許されちゃうぐらい田舎のあったかい小さな村だった。

おなかが痒い。って言ったら、近くに住むヘレンがそれは水疱瘡かもしれないって病院へ連れて行ってくれた。向こうに数ヶ月住んでいたけど海外での病院はそれが初めて。いくら取られるんだろう。って心配してたら何故か無料。しかもそれ、水疱瘡じゃないよ。たぶんダニ。ありゃぁ、、、、デザリーの家にお客が泊まったのは久々のことで、ふとんにダニがついてたらしい。結局笑い話ですんで、ヘレンに(さすがはイギリス人)美味しいお茶をご馳走になっていると、かわいい女の子が遊びに来た。

エマっていうの。エマはヘレンの飼ってる犬が大好きでよく来るらしい。まずは大きな犬を抱きしめキスをすると、次は私にあいさつしてくれた。今日はヘレンとキャンドルを作る約束をしたの。ななおも一緒にやる?うん。ということで三人で手作りキャンドルを作った。

エマは小学校の6年生。元気そうに見えるけど、実は病気で学校へほとんどいってないらしい。そうなの?って私が驚くと、エマは私の眼を見てこういった。私甲状腺のがんなの。そんなに長くは生きられないって先生は言ってるわ。私は耳を疑った。っていうよりもそんなことを当たり前のように言われて、どんな顔していいか、そしてなんて返したらいいのかとても迷った。正直なんて言っていいかわからなかった。
気の毒そうな顔をしたところでエマは笑ってキャンドル作りに没頭してる。
私が泣いたところで彼女の病気は治らない。私も楽しもう。エマとはすぐに仲良くなった。

ななおちゃん。今度おうちに遊びに来て。エマがそういうので、じゃぁ明日行くって約束をした。すごく喜んでくれた。私は何か彼女にプレゼントがしたかったんだけど、貧乏旅行者の私にはお金がない。バッグパックの中の一番高価なものといったらシャネルの赤い口紅だった。

小学生に口紅をあげるなんて。って思われるかもしれないけど、
彼女は自分でそう長く生きられないって言った。ってことはこれからきっとするであろう、恋やお化粧をすることもなく亡くなるのかもしれない。彼女には決して早すぎるプレゼントではない。

エマの家に遊びに行くと、いらっしゃい。ななお。LOVEエマ。ってメッセージを持ったコアラのぬいぐるみが待っていてくれた。彼女は私にそれをくれて、そして、家族を紹介してくれた。まずは熱帯魚の一匹一匹の名前をおしえてくれた。(とても覚えられなかった、、、)そして次は真っ黒い猫。そして抱きつかれると倒れちゃうくらい大きな犬。かわいい妹のミーガン。そして優しそうなご両親。

お茶の後、ミーガンと三人でピアノを弾いた。ななお得意のねこふんじゃった。をミーガンはすぐ覚えた。「すごいでしょ?ミーガンって。とっても自慢の妹なの。」ミーガンはエマより二つ年下。得意がって次から次へと上手なピアノを弾いてくれた。

ねえななお。こっちにきて。エマの部屋を案内してもらう。彼女のベッドの横にはなにやら医療機器がおいてある。「夜はこれをつけて寝るの。私が息をしなくなったら、ママの部屋のアラームがなるようになってるのよ。」淡々と言うエマ。今なら彼女の気持ちがよくわかる。彼女にとってそれも現実なのだ。

ミーガンがとっても私になついてくれて、こっちにきて。こっちにきてってせがむ。エマと話が済んでないからもう少し待ってというと、ぷいっとふくれて行ってしまった。「いっつもエマばっかり。」

「両親が私のことばかりを心配するから、ミーガンは時々やきもちをやくの。」エマは困ったようにそういったけど、その気持ち今ならよくわかる。例えばうにのお寿司が一個だけあるとすると、母はななおにあげる。という。するとおねーちゃんとりえはいっつもななおばっかり。って怒る。私はらっきー。って食べちゃうけれど、エマはミーガンにあげるっていう。そういうタイプの子供だった。少なくとも今の私よりもずっと大人な子供だった。

ねぇみてみて。とエマは宝物をみせてくれた。
そのころ、世界的に流行ってたNew kids on the blockのメンバーと一緒に写っているエマ。そしてがんばってね。エマって彼らの直筆の手紙も見せてくれた。これはMake a wishという難病の子供たちの夢を何かひとつだけ叶えてあげるっていうボランティア団体がエマにくれたプレゼント。

私はうらやましくて(実は今もうらやましい。)18歳以上の大人にはそれがないことを知り、今書いている小説の中ではそれがテーマになっている。病気の大人の夢を何かひとつだけ叶えてあげる。小説の中でだけどね。夢が叶う嬉しさや笑顔は免疫力アップに絶対効果があるから。

私のプレゼントにママは驚いていたけれど、エマはものすごく喜んでくれた。すぐに鏡の前で口紅を塗って見せてくれた。どう?かわいい。っていうか綺麗。エマは体は子供だったけど、シャネルが似合う大人の女に値するほど心が成熟した素敵な子だった。

帰国してから何度か手紙をやりとりして、京都から送った巾着袋をとても喜んでもらったりしたんだけど、その後もっと空気のよいところへ引っ越すと、住所が変わってしまい連絡が取れなくなった。調べればすぐにわかったんだけど、死んじゃってたらどうしようって気持ちが強くて怖くて手紙がかけなかったのも事実。

そのエマも生きていれば、今年は向こうでは成人の21歳。元気だといいな。恋してるといいな。きっと彼女はとても素敵な女性になってると思う。シャネルの口紅を見ると彼女を思い出す。彼女もあれを見て私のこと思い出したりしてくれてるのかな?って思うと私も素敵な大人の女になろうって気がしてくる。

彼女に会えてよかった。
ありがとう。エマ。


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